自分が自分であるために
塞翁の飼っている馬がどこかに逃げてしまった。人々は同情したが、塞翁は嘆かなかった。
数か月後、逃げた馬は駿馬を連れて帰ってきた。
人々は祝福したが、翁はそこに凶事を予見した。はたして、息子が落馬して、足が不自由になった。人々は悲しんだが、翁はそこに幸運を発見した。
やがて、村の若者たちは戦争に駆り出されて死に、翁の息子は不自由な足ゆえに徴兵を免れて生き延びた。
中国の古典「淮南子(えなんじ)」にある故事は「人間万事塞翁が馬」の諺で知られている。
吉凶は神のみぞ知る、予測しがたいのは、諺の教えるとおりである。
福井県丸岡町(現・坂井市)の主催する「日本一短い手紙」のコンクールは、数々の名作を世に送ってきた。
「今までに、私をフッてくれた人たち、ありがとう。おかげでこの子に会えました。」
木次洋子(愛知県・33歳・主婦)
辛かった失恋に、いつか感謝する日も来る。人生に数限りなく用意された曲がり角の、その向こうにどんな景色が広がっているかは、とくかく曲がってみないと分からない。
どんなことがあっても、絶望することはない。
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