「日本の平均家庭」意外な貯金額とその対策
金融広報中央委員会は「家計の金融行動に関する世論調査」を発表した。
それによると、金融資産の平均保有額は1209万円で、昨年(1182万円)よりも27万円増加していることがわかった。金融商品別で見ると、預貯金が53.2%、有価証券が17.7%、生命保険が16.9%という結果に。
こう聞くと、「意外に多いな」と感じる人もいるかもしれない。しかし、これは、富裕層が平均値を引き上げた結果だ。
資産を多い順、少ない順に並べていって、ちょうど真ん中に位置する「中央値」400万円。
「貯蓄がない」と答えた世帯は30.9%と、前年と比較して0.5ポイント増加している。
いっぽう、金融資産を保有している世帯だけで見ると、平均額は前年より66万円増え1819万円となった。すでにある程度の資産を持っていた『お金持ち世帯』の資産が増え、全体の資産を引き上げたということがわかります。この1年で、貧富の差はより一層開いたと言っていいでしょう」
富裕層の資産の増加要因としては、アベノミクスで景気が上向きになったことにより、収入がアップしてその分が貯金に回されたこと。株の評価額が上がったり、債券や投資信託の配当や金利が入ったりしたことなどが考えられる。「持てる人」は順調に資産を増やし、正業に就けない「持たざる人」は依然として苦しい生活を強いられている。