ふるさとの歌の中で
約2200年前の中国で、楚の国の項羽は、漢の劉邦の軍勢に取り囲まれていた。
そして、信じられない歌声を聞くこととなる。
敵の大軍が、自分のふるさと、楚の国の歌を歌っていたのだ。
愕然とした項羽たちは、戦う気力をなくし、劉邦軍に敗れ去った。
「史記」に残る「四面楚歌」の故事だ。
歌が戦いの行方を決した。
この項羽の愛人が虞美人だった。
彼女もこの戦いで項羽とともに死んだと伝えられている。
彼女の血の跡に赤いひなげしの花が咲いたことから、人々はひなげしのことを虞美人草と呼ぶようになった。
それぞれの思いで聞くふるさとの歌、虞美人草も、もう、心穏やかにふるさとの歌を聴くことができるようになっているでしょう。