募集停止、部員3年生だけ
高校野球の甲子園大会で春夏計7回優勝し、全国の球児のあこがれだったPL学園高校(大阪府富田林市)硬式野球部が今夏を最後に「休部」となり、歩みをいったん止める。昨春から部員募集を停止し、現在は3年生のみ12人。第98回全国高校野球選手権大阪大会は24日に組み合わせ抽選会があり、7月9日に開幕する。選手は歴史の重みを感じながら「最後の夏」を迎える。
12人なので紅白戦はできない。土日に何試合も練習試合を組めるほど投手もいない。新チーム以降の公式戦でまだ勝利がない。夏の大会後に「休部」が待つ。現役部員に注目が集まり、公式戦には多くの報道陣が集まる。
■春夏7回優勝、名選手生む
PL学園は1962年に春夏の甲子園にそれぞれ初出場。春夏37回甲子園に出場し、計96勝30敗。優勝は春夏7回、準優勝4回に上る。桑田真澄投手、清原和博選手の「KKコンビ」がいた83、85年夏に優勝、87年に春夏連覇するなど甲子園で強い輝きを放った。
多数のプロ選手が生まれ、前田健太投手(ドジャース)、福留孝介選手(元カブス、現阪神)、松井稼頭央選手(元メッツ、現楽天)といった大リーガーも輩出している。
一方、かつては先輩後輩の上下関係の厳しさでも知られた。甲子園は09年の春夏の出場を最後に遠ざかっている。そこへ、13年3月に部員間の暴力事件が発覚。寮内で複数の2年生が1年生に暴力を振るっていたとして8月下旬まで対外試合禁止処分を受け、監督が引責辞任した。公式戦に復帰した秋季府大会で準優勝し近畿大会に出場。この秋季近畿大会以降、監督は野球未経験者が就任した。
翌14年4月には現3年生が入部。夏の大阪大会で準優勝したが、10月に学校側は「監督の適任者がいない」として新規部員の受け入れを停止すると保護者らに通知した。学校は部員募集再開の時期は未定としている。