「ペヤング」ソフトボール部廃部 やきそばが売れすぎて
ソフトボールの日本女子リーグ1部「ペヤング」の全選手約20人が今月末で退社する。チームを運営する「まるか食品」の主力商品「ペヤングソースやきそば」の生産業務が多忙となり、10人以上が退部を決断したことが引き金となった。まるか食品は、日本協会に休部を届け出たが、このまま廃部となる可能性が極めて高い。
「ペヤングソースやきそば」にごきぶりの混入が指摘されたのは昨年12月。「まるか食品」では約5か月間生産を自粛した。6月に関東地区で販売を再開すると、わずか2日間で400万食が売れ、生産能力の3倍近い追加注文が殺到した。本社がある群馬・伊勢崎市の工場は、現在でも24時間昼夜二交代制でフル稼働を続けている。
この「ペヤング」復活が、ソフトボール部を窮地に追い込んだ。部員は全員「まるか食品」の社員。騒動前は午前7時半に出社し、午後0時に終業。夕方までを全体練習に充て、夜間に2時間程度自主練習。成績は1部下位だが、充実した選手生活を送ってきた。しかし6月以降は「早番」シフトで午前5時から午後1時まで働いている。3時間程度の残業日もある。「仕事が一気に忙しくなった」と語る。練習時間は大きく減り、今季は3勝19敗。低迷した昨年と同じく12チーム中11位。
チーム関係者は「練習をしたいのにできない現状から、10人以上がチームを去る決断をした」と語った。9人がそろわなければ試合はできない。
休部が決まり、選手約20人は12月末で全員退職することに。
「会社員として再就職先を探したり、実家に戻る人もいる。急に獲得してくれるチームもなかなかないので、ほとんどの選手が現役引退になる」という。