東京都知事選(14日告示・31日投開票)を巡り、タレントの石田純一(62)が、都内で記者会見し、都知事選に野党統一候補の出馬が必要だとした上で、自分が選ばれれば「出させていただきたい」と表明した。しかし、出馬には妻でプロゴルファーの東尾理子(40)をはじめ周囲が反対していることから、会見では「自分が野党統一候補になる確率は10%以下。別の方に決まれば応援に回りたい」と消極的な発言が並んだ。
素足に革靴、緩めたネクタイに無精ひげと“らしい”ファッションで報道陣の前に現れた石田。会見の冒頭で「市民団体から要請があり、意見交換をさせていただいた。野党統一候補であるならば、ぜひ出させていただきたい」と表明した。
野党統一候補は民進、共産、社民、生活各党の枠組み。「野党が結集できなければ(有権者の)思いを力に変換できない。共闘が必要」と自民など与党との対決姿勢を打ち出した。
しかし、「都政を考える市民の会」などの市民団体が、石田に出馬を持ちかけたのは今月に入ってから。急な展開に周囲は、妻の理子をはじめそろって出馬に反対している。
複数の関係者によると、会見に先立つこの日の午前中には、所属事務所などが説得。石田は「出ない」と決断した。ところが会見場所となった都内の施設で市民団体のメンバーから再度要請され、断り切れずに翻意してしまったという。
こうした経緯から、冒頭の表明以降は「自分が統一候補になる可能性は10%かそれ以下」「統一候補でないなら出ない」「別の方が出るなら(野党勢力の)分散を避けるために応援に回る」など、“出馬会見”と呼ぶにはあまりに消極的な発言が続いた。
「すがすがしい気持ち。まだ逆転があるかもしれない」。トレンディードラマのような爽やかさで会見場を後にした石田が、その笑顔を選挙戦で振りまく日は来るだろうか。