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原油価格、急降下の理由

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原油価格、急降下の理由
原油の価格が急落している。一昨年半ばに1バレル100ドルを超えていた原油価格は、40ドル台半ばと半値以下にまで落ち込んでしまった。
 
原油価格はなぜ、それほどまでに急降下したのだろう。
 
一つには世界的な需要鈍化がある。欧州の景気低迷に加え、中国をはじめとする新興国も景気の減速懸念が強まっている。
 
国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しでは、世界全体の成長率が3.5%となったが、昨年10月時点から0.3ポイント引き下げられた。ユーロ圏やロシア、中国で軒並み、景気が伸び悩んでいるためだ。
 
ただし、油価下落の最大の要因は需要鈍化とは別にある。
 
 2010年ごろから米国で本格化したシェール革命による大増産で、世界のエネルギー地図が完全に塗り替えられてしまったからだ。米国のシェールオイル生産は、10年足らずで生産量は10倍を超えた。
 
原油の純輸入国だった米国がいまや、産出国として世界一の座に躍り出るまでになったのだ。14年の非OPEC諸国による石油生産量は前年から、日量で180万バレルも増加。このうち、実に80%の140万バレルが米国における生産であり、これはシェールオイルの増産によるものだ。シェールオイルの生産量は、日量でOPEC全体の生産量の15%に相当するまで膨らんでいる。
 
シェールオイルの開発によって、原油はだぶつき、価格が下がった。
 
シェールオイルの大増産で供給量が増えたとしても、中東を中心とした産油国12ヵ国でつくるOPECが生産調整で減産して、需給を調整すれば、価格の下落に歯止めをかけることはできた。
 
しかし、そうはならなかった。OPECの総会で、サウジアラビアの主導によって減産の見送りが決定したのだ。
 
その結果、原油相場の底が抜けてしまい、OPEC総会での減産見送り以降、原油価格は見る見る転がり落ちていった。

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