…熱中症で交代要員なく
和歌山大会2回戦で、伊都の選手1人が熱中症とみられる症状で倒れ、病院に緊急搬送された。来年3月で閉校となる伊都は3年生9人のみで「最後の夏」に臨んでいた。
交代要員がいなかったため、規定により没収試合となり、無念の敗退が決まった。
伊都はセンバツに3度出場した古豪。しかし閉校が決まった後は入部者がおらず、7人いた部員が昨夏以降に5人に減った。必死に勧誘した結果、野球経験のある4人が加わり、なんとか大会出場にこぎつけた。「最後に校歌をグラウンドに響かせたい」が選手たちの合言葉になり、この日が初戦だった。
1-8でリードされて迎えた五回裏の守備。遊撃手の柴田寿幸選手の両足がつり、その場に倒れ込んだ。治療のため担架で運ばれ、試合は中断。「戻ってこいよ」「がんばれ」との声援が両校の観客席から飛んだ。相手の耐久からは経口補水液が差し入れられた。だが、柴田選手はグラウンドに戻ってくることができなかった。
思わぬ敗戦に伊都の森口幸太主将は「こういった形で最後になってしまい、悔しい」と涙を拭った。柴田選手は勧誘で3月に入部した一人だった。養田晋一監督は「(柴田選手も)必死に試合に出たいと思っていたはず。9人そろったからこの舞台に立つことができた。ここまで頑張ってくれてありがとう」と感謝していた