浦和レッズ差別横断幕事件
2014年3月8日の浦和レッズ対サガン鳥栖戦で、浦和レッズのサポーター3人が、試合中に人種・民族差別を想起させる横断幕を掲出した事件である。試合中警備員により撤去を求められたが、横断幕は試合終了まで掲出されたままであったため、クラブ側の責任も問われた。浦和にはJリーグ初となる無観客試合という処分が下された。
浦和のサポーター3人は、試合当日にスタジアムで「JAPANESE ONLY(日本人以外お断り)」と書かれた横断幕を張り出した。
前半終了後、サポーターから「この幕は良くない。差別と捉えられかねない」との指摘を受けたため、この警備員は警備責任者を通じて警備会社本部に連絡。警備会社に対し、横断幕を速やかに撤去するよう指示した。
ところが、対応が緩慢だったため横断幕が撤去されたのは試合終了後であった。
同日夜、浦和のディフェンダー・槙野智章が自身のTwitterに、「今日の試合負けた以上にもっと残念なことがあった…。浦和という看板を背負い、袖を通して一生懸命闘い、誇りをもってこのチームで闘う選手に対してこれはない。こういうことをしているようでは、選手とサポーターが一つになれないし、結果も出ない」などと綴り、問題の横断幕の写真付きツイートでこれを問題視した。
Jリーグは制裁として、3月23日開催の清水エスパルス戦をJリーグ史上初めてとなる、無観客試合として開催する処分を決定した。
制裁理由について、浦和レッズは不適切な横断幕が掲出されたにもかかわらず、試合終了後まで当該横断幕を撤去できなかった。
当該横断幕の記載内容が「JAPANESE ONLY」となっており、差別的内容と判断できる。
国際サッカー連盟(FIFA)が2013年5月の総会で「反人種差別・差別に関する戦い」に関して決議している。
浦和のサポーターは、Jリーグ開幕当初から熱狂的なことで知られており、国内外のサポーターが応援スタイルを模倣するなど畏敬されている。その一方でトラブルが多いことでも知られ、2010年5月15日開催のアウェー・ベガルタ仙台戦の試合後に、浦和サポーターが仙台のミッドフィールダー・梁勇基に向けて人種差別的な発言を行っており、浦和に対して厳重注意と制裁金500万円の処分が下されている。