不自由の逆転劇
歌舞伎の舞台演出の一つで、江戸時代に考え出されたとは思えない、大がかりな舞台装置です。
大道具ごと、それも、たいてい人が乗ったまま、背景が後ろに90度倒れるように回転していき、それにつれて底の部分が垂直に立って、次の新しい背景になるという仕掛けです。
大きな山場ですから、「ドーン、デーン、ドーン、デーン」と鉦や太鼓の派手な鳴り物が入ります。ここから、どんでん返しと呼ばれるようになった。
限られた条件の中で、何かしようと工夫した結果、こんなすごい装置まで編み出すことができた。
奇跡も、限られた条件の中だからこそ、生まれるもののようだ。不自由さを感じたら、チャンスです。