第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕=甲子園)に、プロ注目の清宮幸太郎内野手(2年)を擁する早実など出場32校が決定した。
「目標はもちろん優勝ですが、1戦1戦、終わったら勝っていたという感覚になれたら」
そう話す希代のスラッガーが今大会で最も注目されるのは間違いないが、“打倒・清宮”をもくろむ刺客たちが待ち受けている。
「三高でしたね!」と清宮が思わず色めき立ったのが、東京・関東地区で最後の一枠を慶応と争っていた日大三の出場。エース左腕、桜井周斗投手(2年)は最速144キロの直球と切れ味鋭いスライダーを武器に、昨秋の東京都大会決勝では清宮から5打席連続三振を奪った。不動の4番、金成(かなり)麗生内野手(2年)とのプロ注目コンビがチームの軸だ。
昨秋の関東大会で準優勝した東海大市原望洋の主戦、金久保優斗投手(2年)は最速147キロを誇る高校No.1右腕。同大会で全4試合を1人で投げ抜いたスタミナも高く評価されている。
仙台育英の143キロ左腕、長谷川拓帆投手(2年)にも、プロのスカウトは熱視線を注いでいる。昨秋の神宮大会では優勝した履正社に対し8四球と制球を乱し6回3失点で敗退したが、パ・リーグ球団の東北担当スカウトは「この冬で下半身が大きくなった。選抜でブレークする予感がある」と期待を寄せる。
神宮大会覇者の履正社は優勝候補筆頭。主軸の安田尚憲内野手(2年)が清宮と並ぶ大砲として注目を浴びるが、エース右腕の竹田祐投手(2年)の成長も著しい。
大阪桐蔭にはスーパー1年生、根尾昂内野手がいる。1年生にして名門の4番を任され、守備の要の遊撃をこなし、さらに投げても中学3年で最速146キロをマークしたセンスの持ち主だ。
九州大会優勝で神宮大会4強の福岡大大濠も不気味な存在。エース右腕の三浦銀二投手(2年)はスライダー、チェンジアップを効果的に操る好投手。同じくプロ注目の主砲、古賀悠斗捕手(2年)とのバッテリーは超高校級だ。