スウェーデン、徴兵制復活
ロシアに対抗、女性も対象
スウェーデンは、７年前に廃止した同国の徴兵制を2018年1月から復活させる。兵士に志願する若者が減るなか、近隣の軍事大国であるロシアの武力外交をにらみ軍事力を強化する。
スウェーデンは、1999年以降に生まれた18歳の男女の国民約10万人からまず1万3000人を選び、適性検査を経て年4000人に9~11カ月間の兵役を課す。女性の徴兵は初めてとなる。志願制度時代と異なり、徴兵を拒むと罰則がある。
スウェーデンの徴兵制は1901年から100年以上続いたが、2010年に廃止された。しかし、好景気を背景に賃金の低い兵士に志願する若者が減り、年4000人の要員のうち約2500人しか集められていなかった。
スウェーデン国防省は、2014年のロシアのクリミア併合を挙げ、「彼らは我々のすぐ近くで、より多くの演習を行っている」と危機感をあらわにした。
ロシアのクリミア併合を受けて、北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）に加盟するバルト諸国では軍事活動が活発化。さらに、ＮＡＴＯ非加盟のスウェーデンも米国との軍事協力を強化していた。