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ミラクル紀北工、大逆転サヨナラの勢い

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◇春季和歌山大会▽3回戦
 紀北工90熊野
  和歌山で「ミラクル紀北工」旋風が吹き荒れている。15日に行われた春季大会1回戦の近大新宮戦で、9点ビハインドの9回裏に驚異の粘りで10得点。1413と奇跡的な大逆転サヨナラ勝ちを演じた。勢いづいたナインは、30日に行われた熊野との3回戦でも2年生右腕・楠航兵の7回参考ノーヒットノーランで2試合連続コールド勝ち。
  先発した楠は、伸びのある直球で7回を無安打無失点。許した走者は4回の2四球だけと、ほぼ完璧な内容だった。今大会が高校での公式戦デビューとなった背番号1は「小、中と投手をやってるけどノーヒットノーランは初めて」と声を弾ませた。
  快進撃は2週間前の「奇跡」から始まった。右手中指の骨折で正捕手・坂口雄飛を欠き、迎えた1回戦。チームは3点を追う8回表に一挙6失点。その裏の攻撃で4点を返したが、9回表にも4点を失い再び9点差に。4番の上平嵩貴右翼手は「ダメ押しされて…。正直、ベンチは暗かったです」と振り返った。
  しかし、窮地に追い込まれたことで「本当の意味で開き直れた」と谷本憲司監督(39)。「とにかく打って、後ろにつなごう」。シンプルな指示を送ると、先頭の代打・松本康平は四球を選び出塁。安打と四球で無死満塁とすると、3番・小西信(まこと)左翼手(2年)のボテボテのゴロを遊撃手がまさかのエラー。諦めない姿勢が相手にプレッシャーを与え、1点をもぎ取った。
  息を吹き返した打線はその後、1死も取られることなく同点に追いつき、なお2死一塁の場面で上平が5球目の直球を強振。サヨナラの右越え適時二塁打となって、打者14人で10得点を挙げる大逆転劇を完成させた。89回で6人の代打を送るなど、合計19人が出場した総力戦。試合後、指揮官の元には「何があったんや?」と他校の監督から問い合わせが続いた。同点の3点二塁打を放った松本と試合を決めた上平は声をそろえ「一生忘れないと思います」と目を輝かせた。
 
 ◆高校野球の主な9回大逆転サヨナラ劇 14年夏の石川大会決勝で、星稜が08で迎えた9回裏に9点を奪って小松大谷に逆転サヨナラ勝ち。2年連続17度目の甲子園出場を決めた。甲子園大会では、4点差をひっくり返したのが春夏通じて最大。16年夏に東邦が八戸学院光星戦で、06年夏に智弁和歌山が帝京戦で、04年春に済美が東北戦で記録している。
 
  ◆紀北工(橋本市) 1963年創立の県立校。機械科、電気科、システム化学科の3つの学科を設置。野球部は66年創部で、部員数は34人(うち女子マネジャー2人)。甲子園出場歴なし。昨年のインターハイにはウェートリフティング部、自転車部、レスリング部が出場した。

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