興福寺で最も有名な仏像、作られたのは奈良時代。脱乾漆造という奈良時代に流行った技法で、阿修羅像はその代表作です。
六本の腕と三つの顔を持った姿で、三つの顔は正面が喜びの表情、左面が唇を噛みしめる後悔の表情、右面が懺悔の悲しみの表情をしている。153.4㎝。
2009年に東京や九州で行われた阿修羅展で大人気となり、知名度を急上昇させた。美少年の美しい顔と華奢で可憐な容姿で若い女性にも人気がある。
阿修羅は元は憎悪に燃える古代インドの戦闘神だが、釈迦から教えを説かれ仏教へ入り、興福寺の阿修羅像は仏教に入ったあとの姿が表現されており、憎しみが消え穏やかな表情となっている。
阿修羅像を見ていると、その複雑な憂いのある表情から、彼の身にいったい何が起こったのかと、いろいろ想像できて楽しい。