和歌山大会は、今日から開催され、プロ注目の147㎞右腕・中川虎大(こお)投手擁する箕島が、和歌山高専と対戦する。
4年ぶりの甲子園出場へ“虎”が牙を研ぐ。開幕戦に登場する箕島のエース中川は「小さいころから甲子園で試合をするのが夢だった」と意気込んだ。
阪神、オリックスなど4球団が視察した今春の練習試合で自己最速を更新する147kmを計測した。自慢の直球と、楽天・則本の握りを参考にしたというスプリットとの組み合わせで三振の山を築く。三振数は気にしないというが「いつも2桁は取っています」と自信をのぞかせた。
現在は主将として部員83人を束ねるが、若さゆえの過ちもあった。中学2年の秋に「遊びたくなってしまった」と和歌山シニアを退部。野球から離れるばかりか、家にも帰らなかったりするなど家族にも心配をかけた。転機は進路を考える3年の秋。母・さゆりさんのいとこで、箕島が79年春夏連覇した時のエースだった木村竹志氏(旧名・石井毅)から電話があった。同氏が理事長を務めるNPO法人が開く野球教室に参加して競技に復帰した。
名前の由来は、さゆりさんが工藤公康(現ソフトバンク監督)のファンだったことから「こう」と名付け、阪神ファンの父・和秀さんが「虎」の漢字を当てた。ただ、姓名判断で「う」に適切な漢字がなく、読みは「こお」に。
エースで迎える最後の夏。チームを聖地に導き、自らの名を全国にとどろかせてみせる。
◆中川 虎大(なかがわ・こお)和歌山市出身の17歳。5歳から野崎少年野球で野球を始める。貴志南小では貴志少年野球団でプレーし、6年時に捕手として全国スポーツ少年団淡路島大会で優勝。貴志中出身。箕島で投手に転向し2年秋からエース。最速147キロにスライダー、スプリット。178cm、78kg。右投げ右打ち。