訪れ
何かが訪れるとき、必ず音がともなう。
人が訪れるときは足音、衣ずれ、声、ドアノックなど。
恋の訪れは、ときめく胸の鼓動。
「おとずれ」の「おと」は「音」。
気配やうわさ、相手からの便りや返事まで、すべて「音」といった。
「ずれ」は「連れ」ではないかといわれている。
昔の人は、今よりずっと自然の音に敏感だったのだと思う。
いつも耳を澄ましていたのかもしれない。
春もさまざまな音を連れてやってくる。
雪解け水の瀬音、ホトトギスの鳴き声、木々の葉擦れなど。
あなたは、どんな音に春の訪れを感じますか。