「宙返り 何度もできる 無重力」
向井千秋(1952~)さんがアメリカのスペースシャトル「ディスカバリー」で2度目の宇宙飛行をしたとき、シャトル内で和歌の上の句を詠んだ。
それが「宙返り 何度もできる 無重力」
これに続く下の句を、地上の人々に募った。
アメリカ大統領ビル・クリントン(1946~)は「手を取り合えば 不可能はない」と詠んだ。
漆黒の闇に浮かぶ地球は宇宙から眺めると、いまにも潰れてしまいそうな青い受精卵のようであるらしい。小さな星で運命を共にする者同士が対立し、いがみ合うことの愚かさを宇宙飛行士と政治家の合作は教えてくれている。
向井さんが募った下の句は宇宙開発事業団の手でまとめられ「宇宙短歌百人一首」として刊行された。
そのなかから
「宙返り 何度もできる 無重力」
「しだれ桜は どう咲くのやら」 (宮本恵子 46歳 滋賀県)
「涙は頬を 伝わりますか」 (堀田木綿子 66歳 群馬県)