元プロ野球選手で、静岡・菊川南陵を率いる田中幸雄監督(57)が、初めての夏に臨む。昨年は助監督で、今年から正式に監督就任。日本ハム時代の1985年の近鉄戦では無安打無得点を達成した右腕が、高校生にプロの技術を伝授する。
現役を終えて1年間、ヤンキースでコーチ留学したことが、指導のベースになっている。「プロも基本がないと、安定した守備、攻撃ができない」。守りではゴロ捕球、打つ方では置きティーから始めた。技術習得にプロもアマも近道がないことを、徹底的に教えてこんでいる。
選手の評判も上々だ。叺田本気(かますだ・もとき)主将(3年)は、「コミュニケーションが取りやすくて話しやすい」と話す。今春は県大会に出場。練習試合では強豪・智弁和歌山を下すなど潜在能力を秘めたチームだ。「コンスタントにベスト8に入るチームを作りたい」。指揮官が、ひそかに上位進出を狙っている。
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