履正社が優勝候補筆頭、追う横浜と秀岳館
第98回全国高校野球選手権大会は7日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。準々決勝翌日の休養日を含め、15日間にわたる戦いの末、深紅の優勝旗をつかむのはどのチームか。大会を展望する。
優勝争いは、投打に充実する横浜(神奈川)を軸に、履正社(大阪)やセンバツ4強の秀岳館(熊本)が絡む構図になりそうだ。
最速150㎞超の右腕・藤平を擁する横浜は増田、村田の3,4番を軸に神奈川大会7試合で14本塁打と打線も強力。2番手左腕の石川、強打の1年生・万波らをはじめ、控えの層も厚い。春夏計5回の優勝に導いた渡辺元智前監督が昨夏退任後、初の甲子園。初戦は強敵の東北(宮城)に決まり、平田監督の采配も注目される。
履正社は大黒柱の左腕・寺島に加え、2番手左腕・山口も140㎞台中盤の直球に制球力を併せ持つ。今春以降、急成長した2年生4番の安田が打線の中心。大阪大会は8試合で79得点、4失点と圧巻の戦いぶりで、春夏通じて初の頂点を狙う力は十分ある。
ただ、両校とも初戦を突破すれば2回戦は第8日と決まっており、早々にぶつかる可能性がある。直接対決が早ければ、投手力で履正社が上と私は見ている。
秀岳館は熊本大会で本塁打こそなかったが、9盗塁の原田を筆頭にセンバツ後に磨きをかけた機動力を生かして多彩な攻撃を見せた。継投が基本の投手陣も田浦ら左腕3人の成長で、春はエース格だった堀江が野手に専念するなど、戦力の分厚さを見せつけた。初戦の2回戦で同じく攻撃型の常葉菊川(静岡)を破れば勢いに乗りそうだ。
史上8校目の春夏連覇を目指す智弁学園(奈良)は、奈良大会5試合で13失点したエース村上の踏ん張りが不可欠だ。東邦(愛知)も投打の柱の藤嶋が愛知大会は打率1割を切る不振だったが、復調すれば上位争いに食い込みそうだ。
作新学院(栃木)はチーム打率4割超の打線に最速149㎞の右腕・今井を擁し、投打のバランスがいい。このチームも隠れた優勝候補とみている。他にも関東勢には力のある学校がそろい、好左腕・高橋昂が引っ張る花咲徳栄(埼玉)、センバツ8強の木更津総合(千葉)らも上位進出するのではないだろうか。