「スライダーの催眠術師」
広島東洋カープは、NPBに前田健太のポスティング申請書を提出。メジャー移籍に向けて大きく前進した。
アメリカでは「前田は多分メジャーに来るだろう、これが彼に期待できることだ」と題して、改めて前田の武器となる能力を紹介している。
先発投手が豊富といわれている今オフのFA市場だが、2トップと目されていたグレインキーとプライスの移籍先が早々と確定。その他の有力な先発投手も続々と新たな契約を結んでいる。 そんな中、NPB最高の投手の1人である前田に、どの球団が獲得の名乗りを上げるか注目が集まる。
記事では防御率2.09、15勝8敗、175奪三振といった今季の好成績とともに、2010年以降防御率が2.60を下回ったことがないことなど過去の実績も併せて紹介。カープが設定した2000万ドルのポスティングフィーを支払う球団は出てくるだろうと予測を示した。
ポスティングフィーも含めて高額の契約が予想される前田の最大の武器として挙げられているのが、その変化球だ。
12-6カーブ(時計の12時から6時方向に曲がるような盾に落ちるカーブ)に加え、前田のチェンジアップは手元で大きく沈んでいき、打者を泳がせる、まるでホームプレートに向かう途中で消えてしまうような軌道を描く。
また前田の決め球の一つであるスライダーについても2013年のWBCで中国代表がスライダーに空振りを繰り返した動画とともに、「変化量は乏しいかもしれないが、前田はこの球を催眠術師のように操る」とその有用性を紹介している。
速球についてはフォーシーム、ツーシームともに制球に長けており、95mph(152km/h)前後を出せるだけの能力はある。としながらも、通常は88mph~92mph(140km/h台中盤)であり、火の出るような速球は期待しないほうがよいだろうとしている。
「確かにエースではないかもしれないが、前田を使えないと思っている球団はいないだろう」と結んでいる。