プロ野球ジュニアトーナメント
暮れも押し迫った12月27日、宮崎県に全国から選ばれし野球少年たちが集った。
第11回NPB12球団ジュニアトーナメントが開幕した。NPB(日本プロ野球機構)と12球団が連携し「子どもたちがプロ野球選手への夢をより身近に持てるように」と企画された。夏場に地域で選抜された小学生たちが12球団のジュニアチームを編成し、日本一を競いながら、将来のスターが生まれる大会として注目度も年々増している。
今年は中日ジュニアが優勝を飾った
チームを率いる監督、コーチは各球団のOBたちで、片岡篤史氏(阪神Jr.)、鈴木尚典氏(横浜DeNA Jr.)、梶間健一氏(ヤクルトJr.)、大久保勝信氏(オリックスJr.)ら、野球ファンには味わい深い顔が並ぶ。
これまでの大会を振り返ると、2005年に開催された第1回大会には、今秋、阪神からドラフト1位指名を受けた高山俊(ロッテJr.)や、DeNAの高城俊人(ソフトバンクJr.)、日本ハムの近藤健介(ロッテJr.)らが出場。第3回大会には西武の森友哉(オリックスJr.)、楽天の松井裕樹(横浜Jr.)、巨人の田口麗斗(広島Jr.)らが参加していた。
「とにかくレベルが高い」。阪神Jr.に孫の奨哉くんがおり、「家族から誘われて……(笑)」とひっそり観戦に訪れていた智弁和歌山高校の高嶋仁監督も小学生たちの実力に感心しきりだった。
その言葉通り、今年は大会前から福岡ソフトバンクJr.の関戸康介くんや埼玉西武Jr.の野中駿哉くんに注目が集まっていたが、この他にも多くの好選手がいた。
関戸くんと同じソフトバンクJr.には初戦で猛打賞をマークした永井大斗くん(父は元ソフトバンクの永井智浩氏)。阪神Jr.には、左腕の好投手にして予選で2本塁打と長打力も目立った長谷川康生くん、三拍子揃った松下恵富くん、捕手で4番の石平創士くんらがおり、中日Jr.は、左腕・座馬礼央くんと右腕・小濱優人くんの左右の好投手を擁した。
さらに、全日本小学生陸上競技交流大会で100メートル日本一(11秒90)の森聖弥くん(阪神Jr.)、ソフトボール投げで全国3位(77.82メートル)に入った笹倉世凪くん(東北楽天Jr.)ら、個性派たちも活躍。
また、広島Jr.には前田智徳氏の息子・晃宏くん(主将)や廣瀬純氏の息子・蓮くんがおり、オリックスJr.には坪井智哉氏の息子・洸之介くんら、かつての名選手たちの二世の姿もあった。