沖縄 3世帯に1世帯が貧困状態 子の貧困も全国最悪
沖縄県内で必要最低限の生活を保つための収入がない人の割合を示す「絶対的貧困率」は、2012年に34.8%、また18歳未満の子どもがいる世帯の「子どもの貧困率」は同年で37.5%といずれも都道府県別で最悪、さらに伸びも全国平均を大きく上回ることが、山形大の戸室健作准教授の研究で分かった。
沖縄県内で3世帯に1世帯は貧困状態にあり、その層が急速に拡大していることが明らかになった。
県内の貧困率34.8%は2位鹿児島県の24.3%と10.5ポイント、全国平均18.3%と16.5ポイント差で、伸びは07年から5.5ポイント(全国平均3.9ポイント)と急激に上がった。
「子どもの貧困率」37.5%も、2位大阪府の21.8%と15.7ポイント、全国平均の13.8%より23.7ポイント高く、伸びも07年から6.8ポイント(全国平均3.8ポイント)増えた。戸室さんは「この20年間、沖縄は常に貧困率が最も高い地域。背景に、産業のぜい弱さや低賃金があるのではないか」と指摘した。
また就業世帯のうち最低生活費以下の収入しか得ていない世帯(貧困就業世帯)の割合を示す「ワーキングプア率」も県内は25.9%と最悪で、2位の大阪府14.2%と11.7ポイント差と大きな開きがあった。
研究は、2012年の総務省「就業構造基本調査」を用い、世帯収入が生活保護費以下のデータを調べた。戸室さんによると、都道府県別の子どもの貧困率が明らかになるのは初めて。