市川銀三郎・市川金三郎
ことわっておくが、歌舞伎役者の名前ではない。
市川銀三郎・市川金三郎兄弟は、1918年(大正7年)、大阪で魔法瓶の製造をおこなう「市川兄弟商会」を創業。銀三郎20歳、金三郎17歳の時のことだった。
1948年(昭和23年)に法人企業を立ち上げ、本格的な魔法瓶の製造販売を開始した。
現在は、魔法瓶のほか炊飯器・電気ポット・ホットプレートなど家庭用調理器具や空気清浄機、業務用炊飯器や保温機(ジャー)なども製造している。なお、IH炊飯器・ジャーポットの市場占有率では日本国内1位である。
社名に象を採用したのは、アジアでは神聖とされ性格が温厚だが、ひとたび怒らせばライオンをも倒すその強さに因んだといわれる。
一方で、同じく大阪府に本社を置くタイガー魔法瓶の「タイガー(=虎、アジアの王者を意図)」への対抗意識を表しているともいわれる。
そして「魔法瓶」の文字がカタカナ表記であるのは、漢字ばかりでは堅苦しかったためだとされる。また、これについても、タイガーに対抗するという意味で「象」を漢字、「マホービン」をカタカナにしたともいわれている。
また1950年に大阪で創業した孔雀印魔法瓶(現ピーコック魔法瓶工業)は、象と虎にあやかり動物を社名に関したと言われている。