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東京6大学出身のドラフト1位はなぜ活躍できないのか

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東京6大学出身のドラフト1位はなぜ活躍できないのか
 
現行のドラフト制度が始まった08年度以降、東京六大学から9人が1位指名されたが、安定して活躍しているのは広島の野村祐輔投手だけだ。
 
 東京六大学からプロ入りしたのは、08年がDeNA(当時横浜)の松本啓二朗(早大)。09年は阪神の二神一人(法大)と楽天の戸村健次(立大)。10年は日本ハムの斎藤佑樹(早大)、西武の大石達也(早大)、広島の福井優也(早大)。11年は阪神の伊藤隼人(慶大)、広島の野村(明大)。12年は中日、福谷浩司(慶大)。野村以外にローテーションでバリバリ投げている投手はおらず、定位置をつかんだ野手もいない。
 
かといって東京六大学のレベルが落ちているわけではない。大学選手権では12年は早大が優勝、11年は慶大が準優勝、09年には法大が優勝している。不振の原因は野球へのモチベーションにあるのではないだろうか。
 
 多くのアマ野球関係者に聞くと、甲子園で活躍した球児たちの希望進学先は(1)東京六大学(2)東都大学リーグ(3)関西学生野球、関西六大学という順序があるという。球児本人より、球児たちの親の考えが、大きく反映されているそうだ。
 
 親は中学生から硬式野球をさせる際、甲子園出場と同時に、将来を考える。「甲子園出場→名門大学への推薦入学」という道に進めればという思いは強い。今の高校生も現実的で、保証もないプロで厳しい練習をするより、名門大学から一流企業に就職した方が得だと考える。ある野球強豪校の監督は「大学で鍛えればプロでも通用するのに、大学の推薦入学が決まった段階で、『野球はここまで』と思うケースは多いですね」と打ち明ける。
 
 元阪神の金本知憲氏や矢野燿大氏、メジャーでも活躍した佐々木主浩氏らを輩出して大学球界の名門となった東北福祉大の基礎をつくった故伊藤義博監督は「地区大会の決勝で敗れた高校に勧誘に行くのです。『あと一歩で甲子園に行けなかった』という悔しさがある高校生は、大学で伸びるんですよ」と話していた。
 
 名門大学(東大・早稲田・慶応・明治・立教・法政)に入学するだけで満足する。それが東京六大学のドラフト1位選手が、プロで活躍できない理由の一つだろう。

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