個人には道―国際陸連
国際陸連は、ウィーンで臨時理事会を開き、組織的なドーピング問題で資格停止中のロシア陸連について、必要な対策は不十分とし、現状で処分を解除しないことを決めた。
これでロシアの陸上選手は8月のリオデジャネイロ五輪に原則として出場できなくなった。コー会長は記者会見で「選手や世の中に対して陸上競技を改革するという明確なメッセージとなる」と話した。
理事会では、ロシア陸連の改革状況を調査してきた作業部会が調査報告を行い、一定の改善は見られるものの、昨年11月に科した処分の継続を提言。出席者によると、反対意見は出たが、最終的に満場一致で承認された。
その一方で、ドーピングに関与していない選手が個人資格でリオ五輪に出場できる道も残した。ただ、ロシア国外を拠点とし、適切なドーピング検査を受けていることなど条件は厳しく、該当者は極めて限定された。
2014年にロシア陸上界の組織的ドーピング問題を告発したビタリー・ステパノワ氏の夫人で、陸上中長距離のユリア選手が国際大会に復帰できるよう特別に配慮することも決めた。