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和歌山の梅「世界農業遺産」認定なるか 

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和歌山の梅「世界農業遺産」認定なるか 
 
 栽培から加工まで一貫する和歌山県の梅生産手法「みなべ・田辺の梅システム」が国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定されるかどうかが、日本時間の15日夜にもローマで開かれる会議で決まる。
関係者は「梅生産システムが世界に認知されれば、貧しい山村の自立につながる」と期待を寄せる。
 
  有田市のミカン製造加工会社で働く大浦靖生さん(39)は1999~2002年、青年海外協力隊員としてタイ北部の山間部、ルワムジャイ村に派遣され、梅干しを作って売る方法を住民に伝えた経験を持つ。
 
  村には特産物もなく、若者の出稼ぎが支え。台湾などの支援で数百本の梅の木が植えられたが、仲介業者が砂糖漬けの菓子にする目的で1キロ数バーツ(1バーツは約3.4円)で買いたたいていた。大浦さんが現地で教えたのが、和歌山で盛んな梅干し作りだ。入手困難なシソの代わりにハイビスカスで色づけした独自の梅干しを完成させた。
 
  出荷を始めてすぐに、バンコクの日本人向けスーパーで評判を呼び、今では政府認定の村の特産となった。梅は今、かつての100倍もの利益を出すようになったという。
 
  貧しい山村が梅干しで自立できたのは和歌山も同じだ。県内でも最大の生産量を誇るみなべ町も、軍需や戦後の健康ブームで生産が拡大。山村では珍しい失業率の低さや若年人口の多さは、梅のおかげだ。山田五良・元町長(86)は「農地の乏しいここには梅しかなかったが、日本一になれば生き残れると考えた。実際そうなった」と話す。
 
  大浦さんは「国際的に認知され、市場が広がれば、貧困にあえぐ山村を支える産業となる可能性がある」と遺産認定を願っている。

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