梅干し
梅は1500年ほど前に中国から漢方薬として伝えられた。しかし、梅は燻製にされた真っ黒な梅干しで「烏梅(うばい)」という名の漢方の胃腸薬だった。
「烏梅」が日本名「ウメ」の語源となった。
小田原は梅干しの産地として名高い。戦国時代、小田原城主・北条早雲が、戦場の兵士たちの必需品だった梅干し作りを奨励したからだ。
当時、兵士の心得を記した「雑兵物語」には、さまざまな効能が書かれているが、なかでもユニークなのは「息切れした時は梅干しを見よ」というもの。あの酸っぱさを思い出すと、ジワリと唾液があふれのどが潤うというわけだ。
梅干しをこめかみに貼ると頭痛が治るという民間療法がある。
本当に頭痛に効くのか科学的に調べたところ、梅干しを貼った周囲の体温が上昇することが分かった。つまり、梅干しを貼った箇所の血行が良くなった。
頭痛の原因の多くは筋肉のこりなので、血行が良くなれば痛みは和らぐ。梅干しの酸が、ちょうど指圧やマッサージのような刺激となり血行を促すようだ。
こめかみは、側頭筋につながるツボ。頭痛は頭の筋肉の痛みなので、こめかみを刺激して血行を良くする方法は理に叶っているのだ。
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